クセノフォン「敵中横断」
紀元前5世紀末、クセノフォンという軍人がいた。彼は友人の将軍プロクセナスに誘われてギリシャ
傭兵部隊に参加することになった。
英語読み ゼノフォン
古典ギリシャ語 クセノッポン
ペルシャ王の弟キューロスが王位を奪うために挙兵し、
傭兵部隊はその作戦に参加した。
紀元前401年夏、バビロンの近くで行われた決戦で
キューロスはあっけなく戦死してしまう(I.8.28)。
敵地に孤立
かくしてギリシャ傭兵部隊1万人は敵中に取り残された。さらに状況を悪くする事件が起こる。巧みに近づいてきた
ペルシャ軍将軍がギリシャ人に和平とギリシャへの無事な
帰還を保証しようという。その話にのって話し合いのため
ペルシャ軍陣地を訪問した5名のギリシャ軍将軍は
一緒についていった部隊もろとも殺害された(II.6.1)。
主だった指揮官を殺してしまえばギリシャ軍は混乱して
容易に平定できるだろうというのがペルシャ軍の狙いであった。
クセノフォンを誘ったプロクセナスも殺害された一人だ。
敵地を北上し祖国をめざす
場所は広大なペルシャ帝国のほぼ真ん中である。
ここから執拗なペルシャ軍の追撃を受けながら
ギリシャ軍の敵中横断が開始される。
行程は一難去ってまた一難の連続だ。険しい山を越え、
深い河を越えなければならない。背後はそそり立つ山、
前は川、対岸には敵軍がいる・・・という窮地に立つことも
珍しくなかった。
クセノフォンは指揮官の一人に選ばれ重要な役割を果たす。
ギリシャ人たちはこの土壇場をどのように切り抜けたのか、
幸い、クセノフォンが詳細な記録を残している。
当時ギリシャではアテナイがスパルタに敗れ覇権を
失った直後であった。傭兵部隊の最高指揮官も
スパルタ人だ。
クセノフォンの現代的意義
現代の日本人がクセノフォンを読む意義はどこにあるだろうか。 日本はバブル崩壊(1991年ごろ)以降、
抜本的な手を打つことはなく、いたずらに国債を印刷して
きた。福島原発の汚染水も凍土壁は失敗し、お先真っ暗だが
政権は「完全にコントロールされている」と振る舞っている。
ずるずると規定事実が積み重なる日本
なぜ日本人は直面する問題に正面から取り組もうとしないのだろうか。日本が真珠湾攻撃を決行してアメリカとの戦争
を開始した(1941)状況が現在の状況とよく似ている。ほとんど議論は
なく(軍部に引きずられて)開戦に踏み切った。さらに特徴的な
ことはその決断を下した責任者が明確でないことだ。
アメリカではルーズベルト、イギリスではチャーチル、ドイツでは
ヒットラー、ソ連ではスターリンが最高指揮官だ。しかし日本の
場合、御前会議で決定した。では天皇が決めたのかというと
そうではない。天皇は戦争に自信がなくアメリカとの戦争を避けたい
と望んでいた。
戦前の日本では天皇が統治し、内閣はそれを助けるという立場だ。
首相を決めたのは天皇だ(大命降下)。一方、陸軍、海軍は天皇に
直属して内閣は手も足も出せない。軍部が後に暴走を始めた時に
それを抑える仕組みが最初からなかった。
陸海軍が国防省の下にあるアメリカとは大違いだ。
東京都知事が指摘している通り日本のやり方は今も変わっていない。
作戦指令室
立案、決定、実行のプロセスの違いが具体的に分かる一つの例が作戦指令室だろう。
アメリカ、イギリスでは陸軍、海軍の上に統合参謀本部がありここで
作戦を決定した。指令室には時々刻々変化する状況を表示する
地図があった。日本にはこういうものはなく、作戦はいわば密室で
決められたか、現地軍が勝手に行動し、それを中央が追認した。
作戦指令室(第2次世界大戦アメリカ)
今、都心を歩くと建築ラッシュを実感できる。銀行がジャンジャン融資
しているのだ。しかしこれもやがて必ず行き詰まり、日本は土壇場を
迎える。
このブログでは祖国帰還を目指して敵地を横断したギリシャ軍が
直面した土壇場の数々を読んでいきたい。彼らがどのように議論し
作戦を立て実行したのか、そこから学ぶべきことは多い。
ギリシャ語教室
ἦν δέ τις ἐν τῇ στρατιᾷ Ξενοφῶν Ἀθηναῖος, ὃς οὔτε στρατηγὸς οὔτε λοχαγὸς οὔτε στρατιώτης ὢν συνηκολούθει, ἀλλὰ Πρόξενος αὐτὸν μετεπέμψατο οἴκοθεν ξένος ὢν ἀρχαῖος:[III.1.4]
ἦν "be"動詞未完了過去 δέ
τις ある男が(不定代名詞)
οὔτε ... οὔτε Aでもなく、Bでもない
στρατηγὸς 将軍
λοχαγὸς "captain"
στρατιώτης兵卒
ὢν 現在分詞"be"動詞
συνηκολούθει一緒について行く
μετεπέμψατο 呼びにやる、招く
οἴκοθεν 自分の家へ
ἀρχαῖος最初からの
τις ある男が(不定代名詞)
οὔτε ... οὔτε Aでもなく、Bでもない
στρατηγὸς 将軍
λοχαγὸς "captain"
στρατιώτης兵卒
ὢν 現在分詞"be"動詞
συνηκολούθει一緒について行く
μετεπέμψατο 呼びにやる、招く
οἴκοθεν 自分の家へ
ἀρχαῖος最初からの
軍隊にクセノフォンというアテナイ人がいた。彼は将軍でも部隊長でも兵卒でもなかったが従軍していた。ただ古い外国の友人であるプロクセノスがアテナイの彼のもとへ(一緒に来ないかという)誘いを寄越したからだった。
正解
質問、問合せ先DRILL
"be"動詞未完了過去| Sing. | Pl. | |
| 1. | ἦ or ἦν | ἦμεν |
| 2 | — | ἦτε |
| 3 | — | — |
Kindle本編集出版
ODONTA PRESS
大学講座古典聖書ギリシャ語入門 I II III IV
古典ギリシャ語最初の教本I II III IV
ドリル式マルコ伝読解I II III IV V
玉川直重 新約聖書ギリシャ語独習解答
土岐健治 新約聖書ギリシャ語初歩解答
東京都知事記者会見 2016年9月23日
私は座右の書が日本軍の失敗の本質という、「失敗の本質」というタイトルで、大変名著とされるわけですけれども、ミッドウエー作戦からガダルカナルとか、日本軍がいかにして負けたかという、そういう本なのですけれども、経営書として読んでも面白いし、面白いと言ったら先人に失礼だと思いますけれども、それぞれ何をどうやって間違ったかというのは、大体失敗に共通することで、要は楽観主義、それから縦割り、陸軍と海軍の縦割りとか、それから、兵力の逐次投入とか、こういうことで日本は敗戦につながっていくわけですけれども、都庁は敗戦するわけにはいきませんので、それは都民の皆さんの命を預かっているし、食も預かっているし、そういう意味で、私はこの5人の市場長、それぞれそのまま率直におっしゃっているのだとは思いますけれども、そのあたりの責任をどこまで感じておられるのか、それから、それをどうやって後輩のために生かしていくのか、そういったことに大変関心があります。
back
正解
| Sing. | Pl. | |
| 1. | ἦ or ἦν | ἦμεν |
| 2 | ἦσθα | ἦτε |
| 3 | ἦν | ἦσαν |
back

0 件のコメント:
コメントを投稿